100年企業で新規事業に挑む。三田久で働く醍醐味とは
株式会社三田久
三田竜太
京都大学
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、さまざまな魅力ある企業があります。そんな京都企業の「若手社員インタビュー」を特集。
今回は、「株式会社三田久」で働く三田 竜太さんにお話を聞きました。
学生時代はゴルフ部で活動しながら、大学院では家業に役立ちそうなことを学ぼうと考えて「大豆たんぱく質の研究」に没頭しました。就職活動では、将来家業を継ぐことを見据え、その時に役立つスキルを身につけられるかどうかを軸に企業を探しました。
そして、家業という特殊な状況の中で、自分のキャリアをどう築いていくかについて深く悩んだ結果、財務と営業の知識・経験がどんなビジネスにも必要不可欠だと考え、銀行に入行しました。本心を隠しながらの就職活動は大変でしたが、ご縁があった銀行での仕事を通じて、将来の家業にも役立つ貴重な経験を積めています。
2022年夏、10年間勤めた銀行を退職し、家業である京都の湯葉製造販売を行う株式会社三田久に入社しました。
コロナ禍で事業の未来が不透明な中、社長が新たな飲食事業への挑戦を決断したことが、私が東京から京都に戻り、この事業を一手に引き受けるきっかけとなりました。
銀行での仕事が楽しくなってきたタイミングでの転職でしたが、「いずれ家業に戻る」という長年の思いと、コロナ禍での危機を乗り越えるためには今がサポートの時だと感じ、転職を決意しました。
入社後は、新規事業として「湯葉の食べ比べ」と「豆乳を使ったドリンク・デザート」を提供する「京ゆば三田久清水店」の立ち上げを担当。
銀行員から飲食店経営への転身は、経験ゼロの状態からのスタートで、多くの苦労がありました。
現在は店舗管理に加え、経営企画、営業、広報、人事、財務、経理、総務など、会社運営に関わる業務全般を手がけています。
小さな会社である三田久では、経営に携わる者として、細かな事務作業から雑務まで全て自分で対応する必要がありますが、それが自分で仕事を組み立て、実行できるやりがいにつながっています。
創業100年を超える三田久では、伝統を守りつつも新しい挑戦を続け、これからの100年も存続できるように、会社とともに自分自身も成長したいと考えています。
京都での生活と仕事には、他の都市では味わえない魅力がたくさんあります。
お寺や神社、古い町並みが多く残り、それらとともに維持されてきた伝統文化や工芸品、食品など、京都ならではのものが豊富にあります。
社会人になって一度京都を離れ、東京で生活した経験があるため、京都の持つ独特の魅力をより一層強く感じています。大都会の東京や大阪にはない、人を惹(ひ)きつける力が京都にはあります。
また、伝統や文化を承継する仕事ができるのも、京都ならではの特権です。休日には、観光名所を訪れたり、京都特有のおいしいものを楽しんだりでき、この街で働く魅力の一つとなっています。
多くの方が自分のやりたいことや向いていることを基準に就職活動をしていますが、実際に仕事を始めてみないと、自分に合うかどうかは分からないものです。また仕事は変えることができますが、住む場所はそう簡単には変えられない、とても重要な要素です。どこで生活するかは、その後の人生に大きな影響を与えます。
京都には、京都ならではの仕事や生活スタイルがあります。
東京、大阪、地方都市など、住む場所によって人間関係や日々の過ごし方が大きく変わります。一度築いた基盤は簡単には変えられません。
ですから、まずは「どこで生活したいか」を考えることから始めてみてはいかがでしょうか。
自分の人生をどこで過ごしたいのか、じっくりと考え、納得のいく就職活動を行ってください。