Feature 京都の企業特集


「介護って面白いじゃん」。
先人の知恵も学べる、知れば知るほど奥が深いライフ・ステージ舞夢の仕事
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、魅力的な企業が数多くあります。
そんな京都企業にフィーチャーした「企業インタビュー」。
今回は、社会福祉法人成光苑 ライフ・ステージ舞夢の大垣智義(おおがき ともよし)さんと
藤澤裕希(ふじさわ ゆうき)さん、樫村愛子(かしむら あいこ)さんにお話を聞きました。
- まず自己紹介をお願いします。
大垣さん
現在は高齢者や介護が必要な方に対してサポートを行うケアマネージャーと、ご利用者やご家族の相談に乗る生活相談員を兼務しています。
社会福祉法人成光苑に在籍し、ライフ・ステージ舞夢には2008年の立ち上げ時から16年間所属しています。
藤澤さん
私はライフ・ステージ舞夢で働いて9年目になり、特養と呼ばれる特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)において介護主任を務めています。今はご利用者の方々の生活のサポートがメインの業務となっています。
樫村さん
私は入職して3年目で、総務部で事務として働いています。
- 社会福祉法人成光苑ライフ・ステージ舞夢はどのような会社でしょうか?
大垣さん
成光苑の本部は大阪府にあり、1950年の設立当初は保育を中心に事業を展開していました。
事業を進める中で京都府福知山市において高齢者向け事業も開始し、現在は大阪府摂津市や吹田市、高槻市でも事業を展開しています。
私たちの所属するライフ・ステージ舞夢は2008年11月1日に開設され、ご利用者の方々が人生の最期を迎えられる時までご入所になれる、地域密着型介護老人福祉施設です。
ライフ・ステージ舞夢では介護老人福祉施設以外にも、ご家族の事情などで一時的に介護を受けられない高齢者の方々を1泊2日から受け入れるショートステイや、認知症の方がスタッフとともに食事を作るなど、今までの生活で行ってこられた機能をそのまま生かして少人数で共同生活を送る共同生活介護なども行っています。
また、ライフ・ステージ舞夢を拠点に地域に出向いて介護サービスを展開する訪問介護事業、介護にお困りの方の相談を受けて対応する居宅介護支援などの事業も展開しています。
他にも、デイサービスと呼ばれる通所介護や、舞鶴市から委託を受けている地域包括支援センター事業、認知症の方に特化した認知症対応型通所介護も手掛けています。
- 入職した理由をお聞かせください。
大垣さん
私は地元で高齢者の方々と接する機会があり、以前から生活相談員として働きたいという希望を抱いていました。大学も福祉系学校に進学して社会福祉士の資格を取得したことで、就職先も資格を生かせる仕事を考えていました。
ただ、生活相談員として働ける施設を探して訪れた就職フェアで、「現場を知らないと生活相談員はできない」という現実を突きつけられ、成光苑の高齢者施設で介護現場を知るために入職。現場からコツコツと積み上げた今は、ライフ・ステージ 舞夢で学生時代からの希望だった生活相談員としての業務に就けています。
藤澤さん
10歳上に脳性麻痺(まひ)の兄がいて、私も中学時代からボランティア活動に参加していました。その活動を祖母が非常に喜んでくれたことが、福祉に興味を持ったきっかけですね。
大学でも作業療法を学び、作業療法士の国家試験にも挑戦しました。ただ、合格できずに見かねた親から、「一回帰って来なさい」と言われて実家に戻ったことが、入職につながりました。直接のきっかけも、私の幼少期から顔見知りだった近所のおばあちゃんに、当時「そういえば、近くにライフ・ステージ舞夢っていう施設ができたのよ」と話しかけられたことにです。
「私らの最後の行き場所ができたわ」
おばあちゃんのその言葉が印象深く、一度ハローワークに問い合わせたところ、求人が出ていたことから、施設見学をさせてもらえることになりました。とはいえ、施設見学をしたものの、作業療法士をあきらめきれずに1年間ライフ・ステージ舞夢でアルバイトをしながら、並行して国家試験にも挑戦していました。
最終的に作業療法士は断念することになりましたが、施設長に報告したときに「うちで正規職員として頑張ってくれないか」というありがたいお話を頂いて入職に至っています。無資格・未経験から働き始めましたが、今では介護福祉士という国家資格も取得でき、現場で主任を任されています。
樫村さん
私の場合は入職時に子供が小学校低学年だったので、福祉や介護にこだわらず、働きやすい職場を探していました。当時は事務の職探しをしていて、ちょうど事業説明でハローワークに来られていたライフ・ステージ舞夢の職員とお話ししたことをきっかけに、施設見学を経て入職しています。
- 入職後に感じたことや印象的なエピソードはありますか。
藤澤さん
アルバイトを経て正規職員として働くうちに「介護って面白いじゃん」と思い始めたことがあります。ご利用者の多くは認知症を患っているため、毎日顔を合わせていても、「初めまして」というところからコミュニケーションを始めることもあります。一方、関わり始めて数年経っていても、それまで知り得なかったご利用者の一面があらわれることもあり、業務には人々の生活を支える面白さが詰まっているといえます。
大垣さん
ご利用者の方々は人生の大先輩にあたるので、学べることもとにかく多いですね。例えば編み物を教えてもらいましたが、入職していなければ身に付けることはなかったと思います。ご利用者は長い人生を生きてきた方々なので、まさに「先人の知恵に学ぶ」ことができますね。
また、介護は人間相手なので、認知症を患っていても喜怒哀楽があり、昨日と今日で同じことを話していても抱いている感情は違っていることがあります。話している内容は毎日同じでも、その時々で感情は異なるため、突き詰めれば詰めるほど、奥深さを感じる分野でもあります。
- 社風について教えてください。
藤澤さん
私自身、他社で働いていないため比較は難しいですが、ライフ・ステージ舞夢は学べる環境が整っているという印象を持っています。介護に関する研修の受講に加え、自分の気持ちのマネジメント法や社会人として適切な振る舞い方なども学び、「福祉人」としての器を作ってくれたと実感しています。
樫村さん
事務職について、これまではデスクに座って常にパソコンや電卓と向かい合っているのかなとイメージしていました。
ただ、ライフステージ舞夢では総務部所属ということもあり、事務の業務はもちろん、施設のイベント企画から準備などまで何でもこなしています。それらは私にとっても初めてのことばかりで、毎日が充実しているといえますね。
大垣さん
雰囲気は和やかで、難しい状況に直面したときもネガティブにならずに、「どうすればよくなるか」という話し合いができる環境になっています。そのため、私たち3人も部署はバラバラですが、つながりは濃いといえそうです。
藤澤さん
そこまで大きな施設ではなく、80人強の職員で知らない顔がいないという特徴もありますね。
「あの人、名前何だっけ?」と思うことがないため、密にコミュニケーションが取れて、私たち3人のように部署が違っても仕事上で助け合うような風通しのよさもあります。
- 御社の強みや特徴について聞かせてください。
大垣さん
私たちは地域密着型の福祉施設として舞鶴市の住民の方々が入所でき、地域の方々から頼られている実感があります。
例えば、最近でも「今、家でお父さんが倒れているから助けてくれ」と電話がかかってきて、実際にお宅にお邪魔したこともありました。
他にも「ポータブルトイレを貸してくれへんか」というお願いを受けたこともあり、「この施設に尋ねてみたら、何とかしてくれるだろう」という安心感が地域に浸透していると感じています。
一方、私たちは各地から利用可能な、地域密着型と掲げていない施設も有しています。
具体的にはショートステイ事業は地域密着型でなく、近くに高速道路のインターチェンジがある立地のため、遠方からのご利用者も少なくありません。最近も福井県から施設を調べて訪れた方もいらっしゃいました。
樫村さん
職員が受ける研修に注力してくれている印象もありますね。
入職直後から研修が用意されていて、社会人としてのルールやマナーを学べ、外部研修を受けることもできるため、私自身、成長を実感できています。
大垣さん
確かに研修は充実していますね。
外部研修で他施設の職員の方とお話すると、休みを利用して自主的に受講している印象がありますが、私たちは業務として受講できています。資格取得も、希望する資格を申告すれば業務として取得まで後押しするような制度が整っています。
- 最後に学生へのメッセージをお願いします。
大垣さん
現代は、コミュニケーションを取る手段がさまざまだと感じています。実際に、過去2年間に入職した職員の入職きっかけも、実は対面ではなくメールでのやりとりでした。
対面はもちろんリモートでも、やはり相手の顔色をうかがうことがあってうまくコミュニケーションが取れないこともあるようで、メールだからこそ学生も遠慮なくやりとりができたようです。メールは絵文字が入ったフランクなやりとりも可能で、「今度、施設のボランティアに参加してもいいですか」と気軽に問い合わせることもできたということです。
学生も就職活動となると堅くなりがちですが、私たちとしてもメールでのやりとりで相手の違った一面を見ることができるともいえます。
今ではアバターを使ったコミュニケーションも行っていますから、もしも興味があったらどんな方法でも問い合わせてもらえればうれしいですね。
樫村さん
少し違う角度のメッセージとして、ライフ・ステージ舞夢は充実したプライベートが送れる環境が整っているといえます。
仕事は大変なこともありますが、最近もソフトボール大会に出場したり、ランチ会があったりと、職員同士での交流も多くあります。
何より有給休暇が非常に取得しやすく、プライベートを充実させやすいですね。
藤澤さん
就職フェアで学生と話す中で、「今のうちにやっておけばいいことはありますか?」という質問をよく受けます。
私はそんなとき、「遊んだらいいよ」と話すようにしています。
しっかりと勉強した上で自分の時間を使うのは当然ですし、施設長は「介護という仕事は、今まで経験してきたことが何一つ無駄にならない仕事」と口癖のように話しています。私自身もその通りだと考えていて、学生の皆さんには「これまで約20年の人生経験は、社会人となったときに必ず役に立ちます」と伝えたいですね。
ありがとうございました
今回インタビューさせていただいたのは『社会福祉法人成光苑 ライフ・ステージ舞夢』様です
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