「今の自分」と「違う価値観」を融合させて、その先の「なりたい自分」を目指す。
株式会社京富士印刷
経営陣
高畠 誠
関西大学
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、さまざまな魅力ある企業があります。そんな京都企業の「経営者インタビュー」を特集しています。
その中で今回は、「株式会社京富士印刷」経営陣の高畠 誠さんにお話を聞きました。
大学ではテニスのサークル活動を中心に過ごしていました。
サークル活動では今でも繋がっているとても大切な仲間や先輩後輩と出会い、そのなかで切磋琢磨し深く関わることで、コミュニケーションにおけるとても大切なことを学びました。
この時の経験が今の経営者としての価値観や人格形成に繋がっています。
その後の専門学校ではコンピュータ(主にプログラミング、グラフィック等)を学びました。
父親の経営する会社で役立てるため、グラフィック検定、宅地建物取引士などの資格も取得し、入社に至ります。
大学時代に身に付けた人との関わり方やコミュニケーション力は、視野と価値観の幅を広げ、人脈形成や信頼獲得に役立っていますし、専門学校で身に付けたコンピュータスキルは現在の会社のDX改革になくてはならないものとなっています。
父親が経営している姿を小さい頃から見ていて、その姿に憧れがあったからだと思います。
また、会社経営自体にも興味があり、理不尽のない職場環境を作り、幸せな人が増える会社や、人が成長できる会社を作りたいとの思いもありました。
印刷業という業界自体に興味があったわけではないですが、もともと製造業やものづくりが好きだったこともあり、印刷工程での作業や、取扱商品の印刷物については割とすぐに好きになることができました。
出版物と包装パッケージが主な商材でしたので、自社倉庫に保管されているお客様それぞれの資材を見るとわくわくしていました。
社員十数名の小さい会社ではありますが、良いと思ったことはすぐに実践に移せる身軽さもあるので、働き方改革を推し進めて、働きやすい職場づくりに尽力しています。
入社してすぐは営業として仕事をしていました。取扱商品を覚え、印刷の知識を学び、お客様と商談を行うことが主な仕事でした。
この時のやりがいは、お客様からお褒めの言葉をいただく時が一番嬉しい瞬間でした。
印刷物というのは基本的にオリジナル製品の作成です。お客様のニーズのヒアリングを行い、それを叶える印刷物の提案を行い、紙やサイズ、色数、部数、製本などの加工の仕様を一つずつ決めていきます。その仕様を決めていくにも印刷物を製造する膨大な知識と経験が必要になりました。
印刷用のデータ作成、色の種類、印刷の種類、製版の種類、加工の種類など、印刷工程それぞれでいくつもの選択肢があり、そのなかから最適な手法を選びます。
紙の種類に至っては全てを知るのは不可能なぐらいの種類があります。そうして出来上がった製品を通して、お客様に喜ばれる時が最もやりがいを感じました。
お客様のニーズに対して、素早く提案できるノウハウが身に付いた時に、また一つ成長できたと感じます。
今では経営マネジメントに注力しているので、社員の喜ぶ顔を見るときが一番嬉しい瞬間です。
人は人でしか磨かれないと言われるようにたくさんの素晴らしい人たちと出会いや交流が、日々自分自身の価値観の幅を広げ、成長させてくれていると思っています。
ほどよく都会でほどよく田舎というバランスの良いところが好きなところです。それと地域ごとに割と区分けされており、ビジネスマンの多い地域、飲食店など飲み屋さんが多い地域、自然の多い地域といった具合にいい意味で広いようで狭い世界なところも好きです。
弊社のお客様には寺社仏閣や学校、官公庁の方も多くいらっしゃるので、京都という文化や地域の取り組みを身近に感じることもできます。
また、観光都市ということもあり、観光シーズンには京菓子や和菓子・京漬物など土産物を取り扱っているお客様からの包装パッケージの引き合いも多くいただけるので、仕事を通じて季節を感じることはもちろん、観光都市京都に携わることができます。
「なりたい自分」をイメージして、様々な自分を生み出し、自己成長し続けていただきたいと思います。
自己成長の人生において、仕事というのはあくまでもそのための手法の一つに過ぎません。
自己成長する過程には必ず試練があり、その試練を前向きに捉えるくせを身に付けるだけで、どんな職場や仕事内容でも成長への道筋となります。
私は、成長とは価値観の幅を広げることだと考えています。出会いや経験からは多くの価値観を得ることができます。
「今の自分」と「違う価値観」を融合させて、その先の「なりたい自分」を目指していただきたいと思います。