現場のことも図面も学べて、女性が働きやすい職場
株式会社藤井組
工事部
熊野 愛実
京都建築大学校 建築学科
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、さまざまな魅力ある企業があります。そんな京都企業の「若手社員インタビュー」を特集しています。
第15回目は「株式会社藤井組」で働く熊野さんにお話を聞きました。
在学中に二級建築士が取れる学校だったため、1、2年生で基礎を学び、3年生からは二級建築士を取得するための勉強をしていました。1、2年生は時間に余裕もあって、学業と遊びを両立しながらの生活でしたが、3年生からは、二級建築士の勉強で1日が終わるような生活でした。4年生は資格取得と就職活動はもちろんですが、ゼミでの卒業制作等の活動が一番印象に残っています。
就職活動は人前で話す面接がとても苦手でした。新型コロナウイルスの影響で面接がなくなったり、対面ではなくオンラインで実施されたため、会社の雰囲気が少しわかりにくかったりと悩みは多かったです。また、3年生の6月から資格取得に専念するため就活を中断しました。再開したのは11月と遅くなったので、すごく慌ただしい就職活動でした。
実家が建設業を営んでいたことから、現場で働きたいという思いが強く、現場監督を募集している企業を中心に就職活動をしていました。その中でも、女性を積極的に募集していた点に惹かれました。説明会に参加した時点で、すでに女性の内定者が決まっていて、女性の同期ができることに安心しました。また、実際に見たことのある建物を建てたり改修していて、自分の身近に感じることができたのが藤井組でした。
大手の企業では、部署ごとに仕事が割り振られ、入りたての頃はある程度決まった仕事をこなすイメージがあったのですが、今の会社では、初年度から現場に出ることになり、様々な仕事を実際に見て触って覚えることができるので、自分自身の大きなレベルアップにつながると思いました。また、個人的に現場仕事だけでなく図面についても勉強したいと思っていて、所長や先輩から図面を学べる環境であったことも魅力に感じ、入社を決めました。
初めての主な仕事は写真撮影と写真整理でした。工事ごとの状況写真や材料の写真などを撮ります。1年目から徐々に簡単な図面を書かせてもらえるようになって、現在は外部足場の図面や、消防や官公庁に出す書類作成なども行っています。自分が書いた図面で実際に職人さんが作業をして、建物ができていくのはすごくやりがいがあって楽しいです。
1年目に配属された現場は鉄骨造2階建ての福祉施設でした。わからないことだらけではありましたが、その現場で学んだことを2年目になってすぐ配属された鉄骨造の建物で活かせる部分が多く自分の成長を感じました。1年目の現場には着工から竣工、引き渡しまで携わることができて、長い作業期間でしたが、足場が解体され建物全体が見えた時は感動しました。引き渡しの日に施主様にありがとうという言葉をいただけた時はすごく嬉しかったです。また、竣工式に行ったときは、実際に使われている様子を見ることもでき、初めて最初から最後まで携われた現場というのもあってこれからも心に残る建物だと思います。
京都ならではの神社仏閣等、建築に関する先人の知識やセンスが詰め込まれたものばかりで、感性を磨くための資料が各地に点在しているのが魅力に思います。また、それらを実際に見に行くという体で、休日に少し観光気分で出かけるとリフレッシュできます。
私の地元では交通の面で少し苦労する事があったのですが、京都では交通の便もよく車を持っていなくても行動範囲を制限されることがなく、通勤時や出かけるときに気が楽です。
新型コロナウイルスの影響や、就業形態の変化で自分のやりたい仕事や、望んでいる働き方を100%叶えるのは難しいかもしれませんが、悔いがないよう少しでも前向きに仕事を決めてもらえればと思います。人によって重視する点はそれぞれ違うと思いますが、給料や休暇日数だけでなく、その会社について調べよく知ることが大切だと思います。ゆっくり、自分らしく、頑張ってください!!
取材中、常に所長さんはじめ社員の皆さんと熊野さんが楽しそうに話しているのが印象的でした。熊野さんに会社の良さを聞くと、職場の雰囲気の良さ、皆さんフレンドリーなところと言われたのもうなずけました。もちろん仕事には大変なところがありますが、だからこそ楽しんで取り組むという心持ちを感じました。そのような会社で、これからも熊野さんがいきいきと働かれて、活躍されることを願っています!