今自分に与えられた仕事に一生懸命になることこそがやりがい、生きがいに繋がっていく
株式会社かつらぎ
メンテナンス課
田中 公貴
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、さまざまな魅力ある企業があります。そんな京都企業の「若手社員インタビュー」を特集しています。
その中で今回は、「株式会社かつらぎ」で働く田中さんにお話を聞きました。
幼少期から高校まで野球を続けてきましたが、高校時代に肩を壊してしまい、そこで人生初めての挫折を経験しました。その当時はもう野球を続ける事ができないという喪失感で何もやる気が起きず、道を踏み外してしまいそうになりましたが、同級生から声を掛けてもらい、高校卒業まではサッカー部で活動していました。今となっては高校野球と高校サッカーの両方を経験できたことは、僕にとっての財産となっています。
大学へ進学してからは特にやりたい事も目標もなく、ほぼ通学とアルバイトだけの大学生活でした。教員免許もあと教育実習に行くだけで、単位は取得できるところまでは取っていましたが、教員になる気もないのに…という理由で最後までやり切る事ができませんでした。
アルバイトは、有名な運輸会社にて配達作業を4年間していました。そこで学んだことは今となっても活きています。
就職活動についても熱心ではなかったと思います。とりあえず早く決めてしまおうという気持ちであったことを今でも覚えています。
新卒で働いてからは、思うように仕事が続かず、いくつか職を転々としながらも、働かない期間はなくそれなりに収入を得て生活はしていました。しかし、なかなか安定しない私を見かねた兄が半ば強制で、修行の一環としての自衛隊への入隊を勧めてきました。
当時は、この歳で「自由な生活ができない集団生活」は絶対に嫌だと思いましたが、結局入隊することになり、約2年間自衛隊で様々な経験をしました。今となっては良い想い出になっていますし、今の私の人間形成に大きく影響を与えたと思います。
そして当時交際中の妻と結婚を考え始めたときに、いい加減、地に足つけて働こうと決意しました。
現在の会社に入社した理由は、ライフラインに関わることや将来の安定性、そしてお客様の日々の生活になくてはならない存在であり続け、お客様の心に寄り添い、非常に責任感のある仕事だと思い、入社を希望しました。
主にガス機器のメンテナンス・販売等を軸として、様々な業務を日々経験させてもらっています。その日使うことができなかったガス機器が修理によって直り、使うことが出来るようになると喜びを感じます。プロとして直すことが当たり前として求められている以上、表立って喜びを表現することは少ないですが、お客様以上に私が喜びを感じているかもしれません。
難易度や事象によっては常に不安や失敗の可能性が頭の中から離れずに機器と向き合いますが、それが解消・解決できた時には、大きな達成感・解放感でいっぱいになりますし、私にとってはそのことをやりがいと呼ぶのかもしれません。
このような経験が数多くこなせるようになっていけば、私自身の成長だと、胸を張って自分で言う事ができるのだろうと思います。今の私はまだまだですが、このような経験をひとつでも多くできるように日々の時間を大切にし、仲間と切磋琢磨しながら、全ての業務を滞りなく遂行していきたいです。
普段、お客様と直接対話する業務なので、京都の特性を踏まえた上で話すようにしています。
というのも京都という土地柄、あまり自分の考えを言ってくれない方も多いと感じますし、不満を直接言えなかったり、そのような表現が苦手な方もいらっしゃいます。
こちらのことを思っての事かもしれませんが、それではなかなか本心を読み取ることが出来ません。
ただ、自分が一方的に話すだけではなく、お客様が伝えたい事を引き出し話しやすいような空気にもっていく、お客様が思っていることを全て話すことができるような環境に導くことこそが、改善方法を見つけることができる1番の早道だと思います。
そうすることで、最後にはお客様にはすごく良い反応をしていただけます。後になってからお褒めの言葉や、現場で離れる際に最後にお客様から「私の言いたいことや考えていることを引き出してくれてありがとう」という言葉をいただくことが多くあります。
京都独特の空気感・京都ならではの人情味を感じながら、自分の対人間力も磨くことができるという良き場所であること、そこが良い部分だと思います。
私たちのような若者全てが夢や目標をもって生きていたり、なりたい職業や、やりたい職種があるとも限らないですし、おそらく多くの若者が惰性で生きているのではないかという私の勝手なイメージがあります。
ただ、何が大事かというと、社会に出てお金を稼ぐということ、困っている人や世の中の役に立つことこそが、社会人としての存在意義、存在価値だと私は考えます。
世の中の社会人の大半は自分のなりたい職業、やりたい職種に就くこともできていないと思います。
だからこそ、今自分がやっている仕事に向き合うことが大切なのではないでしょうか。
今自分に与えられた仕事に一生懸命になることこそがその仕事のやりがい、生きがいに繋がっていくのではないかなと私は考えています。働くということに誇りを持って、自分という人間の魅力を引き出しながら、そして向き合いながら社会人の人生の第一歩を踏み出していただきたいです。