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# インタビュー # 企業訪問 # 三共精機株式会社

日本で働きたい!を実現。
ものづくりの専門商社・三共精機が
実践する「個性を活かす」留学生採用

令和6年度、京都市内で学ぶ留学生は1万9,668人と過去最高となりました。国際都市・京都には多くの外国人留学生が集まり、学びの場から働くフィールドへと活躍の幅を広げるチャンスが広がっています。

こうした流れを後押しするため、京都市は令和7年度から京都府と連携して「京都発!留学生ビジネス日本語実践プログラム」をスタート。ビジネスで役立つ日本語を学び、企業の即戦力として活躍できるように支援しています。

▶プログラム詳細(京都市公式ホームページ):https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000340114.html

本記事では、機械工具を扱う専門商社として製造業を支える三共精機株式会社に取材を行い、経営戦略室の原田 美咲(はらだ みさ)さんとベトナム出身で営業職として活躍するドアン ティ ゴク マイさんにお話を伺いました。
留学生の皆さんには「京都で働く」イメージを、そして企業の皆さんには「留学生採用」の効果をご紹介します。


三共精機の事業内容について教えてください。

原田さん

三共精機は、機械工具を取り扱う専門商社です。ものづくりの現場で使われる設備や部品などを製造業のお客さまに提案・提供して、製品づくりを支えるのが私たちの主な仕事です。

さらに近年は、単なる「もの」の提供にとどまらず、人材不足や社員教育といった現場の周辺課題にも踏み込んで経営全体を支援する「ものづくり課題解決プラットフォーム」としての役割を担っています。製造業に特化した採用支援や、顧客の社員向けに機器操作の講習といった取組も行い、現場と経営の両面からお客さまの課題解決を後押ししています。

京都には、世界的にも有名な製造業の会社が数多くあり、京都に本社を置きつつ、国内外に幅広く拠点を展開し、グローバルに活躍する企業も少なくありません。

私たちも、そうしたお客さまを支えるために国内外に拠点を拡大して、研究開発拠点や工場と密接に連携しながらものづくりの現場に寄り添ったサービスを提供しています。京都を起点にしながら全国、そして世界へと広がる製造業のネットワークを支えるのが三共精機の強みです。

マイさんが日本で働くまでの経緯や三共精機を選んだ理由を教えてください。

マイさん

私はベトナム出身で、2016年に来日、まずは日本語学校で2年間学び、その後は龍谷大学で国際関係学を専攻しました。日本語を学び始めたのは高校生の頃で、「何か新しいことをやってみたい」という好奇心と日本文化への憧れがきっかけでした。

勉強を続けるうちに日本で暮らして働くことにも興味が広がり、両親に相談すると背中を押してくれました。大学在学中に「せっかくなら日本で働いてみたい」と考えるようになって、卒業後も日本に留まることに決めました。

三共精機との出会いは、就職活動中に参加した京都での留学生向け合同説明会がきっかけです。そこで採用担当の原田さんと話したことで一気に興味が深まりました。帰宅後、説明会でもらった資料を読み込んでみたら、取り扱っている商材の幅広さや外国籍社員が活躍できる環境があることを知り、ここなら学びながら成長できるだろうと思いました。

大学で学んだ分野とはまったく異なる業界ではありましたが、新しいことを勉強したり経験したりすることについては前向きに捉えていました。

入社してからはどのようなキャリアを歩むのですか?

マイさん

入社1年目は倉庫での荷受けや在庫管理などの基礎業務から始まり、2年目に営業部へ配属されました。内勤営業から始めて、今では日本のお客さまとベトナムのお客さまを半々の割合で担当しています。

日本語でのビジネスメールのやりとりや電話対応は毎日が勉強の連続ですし、ベトナムのお客さまとはベトナム語や英語でのやりとりもあります。母国語であっても業界特有の言葉が出てきたときには「この使い方で合っているのだろうか?」と心配になることもありますが、そんなときにはすぐに自分で調べるようにしています。

お客さまの要望に応えられたときや「ありがとう」と言っていただける瞬間が、この仕事の一番のやりがいですね。わからないことや相談したいことがあっても先輩に相談しやすい環境があり、外国籍だからといって特別扱いされることなく、一人の社員として信頼してもらえることが励みになっています。

三共精機ではいつ頃から留学生の採用を始めたのですか?

原田さん

2009年からです。きっかけは、ある中国籍の方が求人に応募してくれたことです。面接でお会いしたところ非常に優秀で、社内で即戦力として活躍できると判断して採用しました。その方の活躍をきっかけに中国語を活かした海外とのやりとりが増えて、海外展開のきっかけになりました。

その後も、外国籍の方の活躍が会社の海外事業の成長の後押しになっています。

採用後の支援や外国籍社員への配慮について教えてください。

原田さん

全社員約75名のうち、外国籍の社員は5名ほど。多い時期には7名在籍していたこともあります。1割前後が外国籍という規模感ですが、社内では国籍に関係なく一人一人が専門性を発揮し、自然に溶け込んでいます。

社内で外国籍社員への特別な支援制度を設けてはいませんが、これは彼らを放任するということではありません。当社では社内の連絡は全て日本語ですので、日本語でお互いに意思疎通ができることを選考で確認しています。その上で、入社後は日本人社員と同じ研修を受けて、基礎から段階的にスキルを身につけてもらいます。また、現場では先輩が個別にサポートすることで疑問点や不安を解消できる環境を整えています。この点は日本人社員も同じです。国籍に関わらず、誰でも気軽に相談でき、親身になって教えてくれる先輩が身近にいることが、安心して働き続けられる環境につながっているのだと思います。

実際に研修を受けてみていかがでしたか?

マイさん

入社後2カ月間の研修では、会社や商品の基礎知識を学ぶ座学から始まり、最後にはプレゼンテーション形式で学んだ内容を全社に向けて発表しました。私は当社が使っているシステムについてオリジナルの歌をつくって発表するなど、楽しみながら取り組むことができました。緊張しましたが、自分の言葉で学びを整理できる良い機会になりました。

原田さん

教わったことを自分なりに消化して自由に表現できる力を身につけてもらうために、プレゼンの形式についてはあえて細かく指示していません。個性を活かしながら研修に取り組んでもらえると、こちらも嬉しいですね。

日本企業で働くことを目標とする留学生の皆さんへのメッセージをお願いします。

マイさん

私にとって当社の最大の魅力は、外国籍の社員が心から「働きやすい」と感じることができる環境が整っていることだと思います。例えば、日常会話が十分にできれば、ビジネスで使用する日本語に不安があっても心配はいりません。私自身も最初はビジネスの場で使う日本語に苦労しましたが、仕事をする過程で少しずつ経験を積み重ね、それに先輩方のサポートや日々の経験を通して少しずつ自信が持てるようになりました。ものづくりの知識がなくても、興味と意欲があれば成長していける環境がここにはあります。

近年、私の母国のベトナムにも日本企業が多く進出しています。日本の製造業に関わる仕事をすることで、将来的にベトナムに帰ったあとにも日本とベトナムをつなぐ仕事ができるようになるかもしれないと思っています。日本でのキャリアは、母国との懸け橋になる大きなチャンスです。皆さんも自分の力を信じて挑戦してみてください。

原田さん

当社は、国籍やバックグラウンドに関係なく一人一人の強みを活かすことのできる組織を目指しています。実際にマイのように母国語のスキルを駆使して海外顧客への営業を担当している社員もいれば、輸出入や貿易の業務に携わったり当社の海外拠点に赴任したりしている社員もいます。語学力だけでなく、人との関わり方や好奇心といった「その人らしさ」も会社にとって大切な力だと考えています。

このような環境を整えている当社だからこそ、留学生の皆さんには安心して挑戦してほしいと思っています。自分の可能性を試してみたい方であれば、きっと成長を実感していただけるはず。皆さんの新しい視点やエネルギーが、会社の未来をさらに広げてくれることを心から楽しみにしています。

ありがとうございました 

今回インタビューさせていただいたのは『三共精機株式会社』様です

法人ページはこちら三共精機株式会社

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