Feature 京都の企業特集


1ミリメートルの1/1000を追求する職人の世界で働く。どれほど大きい受注や売上よりもうれしかったこととは
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、魅力的な企業が数多くあります。
そんな京都企業にフィーチャーした「企業インタビュー」。
今回は、株式会社Kamogawaで働く菅谷 晶美(すがや あけみ)さんと中井 俊介(なかい しゅんすけ)さんにお話を聞きました。
- まずはお二人の自己紹介をお願いします!
菅谷さん
私は入社して16年目になります。
入社後は10年以上、貿易グループで海外に携わる仕事を担当し、一昨年から現在の経営管理部に所属して、採用や社員教育に従事しています。
中井さん
私は入社から3年は鹿児島で、その後は5年ほど滋賀で営業に従事してきました。現在は、営業企画として自社ブランドの販促や社内の広報、コロナ禍をきっかけに始めた「Kamogawaものづくりチャンネル」というYouTubeでの発信も担当しています。
YouTubeチャンネルも開設当初は会社や製品について知ってもらおうと、製品紹介や社員インタビューを発信していましたが、昨年から方向性を変えています。
現在は、業界の専門用語などを就職活動中の学生や新入社員に分かりやすく面白く伝えようとした内容になっています。最近はお客さまにも「面白いね!」と言っていただくことも増えてきています。
写真:中井さん
- 株式会社 Kamogawaはどのような会社でしょうか。
中井さん
1949年に京都で創業してから、恐慌をはじめとする世界的なトラブルに見舞われてもV字回復を遂げ、成長し続けてきた会社です。
その最大の根底にあるのは『「そんなとこ」まで考える。』というパーパスで、不況などの事業環境が悪化するタイミングでも、新入社員を採用し続けて社内を盛り上げたり、業界で海外挑戦が少なかった時期から海外展開したり、さまざまな取り組みを続けてきました。
機が熟すのを待つよりも、「いま、何ができるか」と挑戦を続け、『「そんなとこ」まで考える。』ということにチャレンジする、社長と社員の思いが強い会社ともいえますね。
具体的な事業としては、生産財の総合サプライヤーとして商品を提供しています。生産財とは、素材から加工のための機械や工具、作業着などまで、製造業の現場で使われるありとあらゆるもののことで、私たちはその生産財をメーカーをはじめとするお客さまに提供しています。
ただ、私たちは自社製品の購入を促す営業ではなく、お客さまの困りごとや課題を改善するための提案を心がけていて、実際に解決できたときはお客さまとともに喜べるという面白さもあります。
- 入社理由について聞かせてください。
菅谷さん
当社は海外の取引先も多く、私は英語を生かして海外に携わる仕事がしたいという思いから入社しました。
写真:菅谷さん
中井さん
私はそもそも、ドラマ『GTO』に憧れて教員になろうと考え、大学も教育学部に進学しました。ところが、いざ教育実習を行ったときにドラマと現実のギャップに戸惑ってしまったことから、就職活動を始めました。
スタートが遅く、その上に教育学部は就活情報があまり入ってこないという状況だったこともあり、Kamogawaも実は多くの企業に一気にエントリーした中の1社でしかありませんでした。
ただ、説明会に参加したところ、当時社長として登壇した代表取締役会長(CEO)の三上の話に惹き込まれ、いつの間にか「この人の下で働いたら成長できのではないか!もっとこの人の人生を知りたい!!」と思い始めていました。
当時は好きなマンガである『ONE PIECE』の影響もあり、会社は船でトップを船長だと考え、「その船に乗りたいかどうか」「船長についていきたいかどうか」という考えを軸に就活をしていました。最終的にKamogawaともう1社のどちらにするかと迷った際も、トップの思いや熱さと社員の雰囲気やムードが自分に合っていたことが入社の決め手となりました。
菅谷さん
うれしいエピソードですね。
たとえ知名度が高くない企業であっても話を聞いてみたり、関心を持ったりすることは大事なことだと、学生の皆さんにも伝わるのではないでしょうか。
- 入社後に感じたことや印象的なエピソードはありますか。
中井さん
製造業は職人肌の方が多いですね。1ミリメートルの1/1000という1ミクロンの差を追求して製品を作る世界ですから、情熱を持って仕事に打ち込んでいるお客さまが多く、話をしていても刺激があって面白いです。
なかでも鹿児島時代に担当したお客さまは忘れられません。
営業に出て間もないこともあり、自分のミスでお客さまにご迷惑をおかけすることが多々ありましたが、担当時は非常に愛のある叱咤激励をいただいていました。
そして、鹿児島から滋賀に転勤するあいさつをした際にお手紙をいただき、文中には私との細かなやり取りについてのエピソードや、かけていただいていた言葉の真意などが、数枚に渡ってつづられていました。愛情に満ちたそのお手紙をいただけたことは、これまでのどれほど大きい受注や売上よりもうれしかったですね。
- 社風について教えてください。
菅谷さん
あまり大きい会社でないということもあり、縦割りではなく、拠点の配属を超えてチームを組んで仕事をすることも多くあります。社員一人一人に配られる社用スマートフォンにはチャットツールがインストールされていて、社長を含めて誰にでも気軽にチャットでコミュニケーションを取れる関係性もあります。
私自身、風通しのよさには入社して驚きました。もちろん上下関係はあるものの、新入社員が上司に自分の意見を主張することも歓迎されますし、年齢や性別、国籍などに関係なくコミュニケーションが取れる環境が整っています。
社長に話したことが実際に会社の制度として実現したり、ちょっとした自分のアイデアが形になったりすることも、コミュニケーションが円滑に図られるからこそだと考えています。
中井さん
チャレンジしやすい環境としては、応援してくれる人たちの存在もありますね。
私がYouTubeチャンネルを企画したときも、所長が「チャレンジが失敗しても俺も一緒に責任を取るぞ」というような応援をしてくれて意気に感じました。
菅谷さん
会社が挑戦を応援する風土はありますね。YouTubeに限らず、会社にとってプラスになるのであれば、勉強会やセミナーにも費用は会社負担で参加できます。
私自身、貿易関係の勉強会など、会社に還元されることであれば今まで参加を反対されたことはなく、常に背中を押してもらっています。
会長は、私の入社時から「自分は社員を応援する」と言い続けていて、その思いが会社の社風や風土を作り上げてきたと感じますね。
中井さん
お客さまも土日・祝日休みの製造業のメーカーが中心のため、休日に呼び出されることはなく、ワークライフバランスも整っています。
私自身は休みには家族と遠出したり、大学時代に始めた漫才でM-1グランプリの予選やアマチュアコンクールに出場したりするなど、自分のやりたいこともできています。
菅谷さん
そうですね。私自身も仕事とプライベートのバランスをうまく保てています。
子育てしながら働いている社員も多く在籍し、働きやすい環境は整っていますね。
- 最後に学生へのメッセージをお願いします。
菅谷さん
就職活動では、ぜひ社員と会って話してもらいたいですね。
当社に限らず、さまざまな企業で働いている社員の方々と話すことで自身の考えが定まり、企業選びの軸が明確になるのでたくさんの社員の方々に会ってお話してほしいです。
中井さん
Kamogawaの社員には個性豊かで面白い人材がそろっていますから、もし就職活動で迷ったり悩んだりしていらっしゃる学生さんがいるのであれば、ぜひ一度当社に来ていただければうれしいです。
ありがとうございました
今回インタビューさせていただいたのは『株式会社Kamogawa』様です
企業ページはこちら株式会社KamogawaYouTubeinstagram @kamogawa.kyoto