義肢装具を通じて、利用者の生活の質向上を目指す。洛北義肢で働くやりがいとは。
株式会社洛北義肢
製造部 製造課
平賀 段矢
神戸医療福祉専門学校
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、さまざまな魅力ある企業があります。そんな京都企業の「若手社員インタビュー」を特集。
今回は、「株式会社洛北義肢」で働く平賀 段矢さんにお話を聞きました。
学生時代、私は整形靴製作の技術を学んでいました。
整形靴とは、足の疾患や障害がある人々のために特別に設計されたオーダーメイドの靴です。当初は、「速さ」を優先した靴作りに励んでいましたが、左右で脚の長さが異なる方のための靴を製作する実習を通じ、「見た目の違いをどう目立たなくするか」について深く考えるようになりました。
その結果、作った靴が大変喜ばれ、今でもその方から感謝の年賀状をいただいています。この経験から、自分のアイデアと技術が融合し、美しく機能的な靴を作る喜びを知りました。
就職活動では、靴の業界を広く知りたいと思い、義肢装具の会社やファッション靴メーカーを見学しました。楽しく働けるかどうかをイメージしながら、仕事内容や人事担当者の対応、オフィスの環境を観察しました。
最終的に、臨床実習でお世話になった洛北義肢が、私の技術を生かし、さらに磨きをかけることができる環境だと感じ、ここに入社を決めました。
洛北義肢に入社した理由は、義足やコルセット、インソールなどの義肢装具を通じて、病気や事故で障害がある人々の生活の質を向上させることに貢献できる点に大きな魅力を感じたからです。
特に、臨床実習での経験が強い動機となりました。洛北義肢では、専門学校出身者だけでなく、一般大学出身者やさまざまな経歴を持つ先輩社員たちが、知識やスキルを楽しく共有しながら製作活動に取り組んでいます。私もこのような環境で働きたいと思い、入社を決意しました。
また、洛北義肢には社員の継続的な学習と自己成長をサポートするCPD(継続的専門能力開発)制度があります。
この制度を通じて、新しい知識やスキルを共有し合う文化が根付いていることも、私が入社を決めた大きな理由の一つです。自分が作った製品で患者の生活を支え、より良いものを提供し続けるために、この会社で成長していきたいと考えています。
入社後、私はまず義肢装具に関する保険の知識や社会人基礎を研修で学びました。その後、現場での靴の製作に携われました。
当社には、新入社員の成長を支援する「パートナー制度」があり、少し上の先輩がパートナーとして指導を担当し、私の成長計画を立て、段階的に仕事を教えてくれます。この制度により、確実にスキルアップし、新しい課題に次々と挑戦できるようになりました。充実した研修とフォロー体制により、未経験からでも多くの人が活躍しています。
また、25歳で靴とインソールの製作班の主任になったことは、私にとって大きなやりがいとなりました。製品の品質や生産性の向上、新しい製品や技術の開発、工程の改善に同僚と取り組む際、上司からの前向きなアドバイスが得られることが、私の成長につながっています。
この会社では、新しい挑戦をする際に誰もが応援してくれる文化があり、自分のアイデアを実現できることが非常に楽しいです。
京都で暮らし働くことの最大の魅力は、豊かな自然、多彩な娯楽、そして古き良き日本の文化に触れられる点にあります。京都は世界的に有名な観光地でありながら、日常生活を送る上でも非常に便利な場所です。
私自身、27歳で結婚した際、妻と共に京都での生活を選びました。私たちは車の運転が苦手ですが、京都市内は公共交通機関が充実しており、生活に不自由を感じることはありません。
また、大阪、兵庫、奈良、滋賀へのアクセスも良好です。新幹線も通っているため、遠出をする際も便利です。休日には、「ガラクタ市」や「骨董(こっとう)市」といった地元の小さなイベントを楽しめ、京都の日常生活を満喫しています。
このように、京都での生活は、便利さと文化的な魅力が融合した、とても魅力的なものです。
就活生の皆さん、もしまだ具体的な目標が見つかっていないなら、「自分に向いていることを少しでも試してみる」のがおすすめです。
人にはそれぞれ得意なことがあります。手先が器用だったり、話すことが得意だったり、そういった自分に適性がある分野で成功体験を積み、自信を得ることができるでしょう。
また、やりたいことがあるけれど、それが現在の自分には高すぎる目標のように感じる場合でも、働きながら学び、準備を進めることは非常に価値があります。大変な道のりかもしれませんが、決して無駄にはなりません。
これからは「なくなってしまう職業」も出てくるかもしれませんが、その中でも自分だけの独自性を見つけ、楽しんで仕事をすることが大切です。仕事は、ただつらいだけのものではなく、家に帰ってからも「次はこれを試そう」と楽しんで考えられるような、充実したものであるべきです。
皆さんがそういった素晴らしい仕事に巡り合えることを心から願っています。