【職種紹介、得られるスキル】
調理から接客まで お客様との対話を大切にする株式会社西浅
株式会社西浅
西浅 烏丸店 惣菜部門担当
W.Y
京都府立海洋高等学校
京都には、長い歴史のある老舗企業から革新的なスタートアップ企業まで、魅力ある企業が数多くあります。
そんな京都企業の「若手社員」を特集。今回は、1927年創業の「株式会社西浅」で働くW.Yさんにお話を聞きました。株式会社西浅は、鮮度と季節感を重視した店作りで、京都を中心に大阪や滋賀でも鮮魚専門店を展開しています。
本店の烏丸店で、主に惣菜部門を担当しています。毎朝10時の開店に向けて焼き魚や煮魚を作り、パック詰めをして店頭に並べています。
西浅はインストア加工にこだわり、鮮魚だけでなく寿司や惣菜のほとんどがお店で作られています。1日に販売する惣菜を基本的に自分1人で作るため、大変な面もありますが、売上の一部を担っている実感が強く、やりがいがあります。
西浅に代々伝わり、作り手も限られる「ちりめん山椒」の作り方を最近習得し、自分の作ったちりめん山椒が他店舗でも販売されるようになりました。烏丸店でもお客様だけでなく他の従業員からも「次はいつ出るの?」と聞かれるなど、好評をいただいています。
惣菜作りは昼すぎには終わり、その後は鮮魚部門で丸ごと1匹の魚を三枚おろしにすることや、お刺身にすることもあり、調理などについて学ぶことも多いです。ベテランの職人に囲まれ、学ぶ環境は整っているため、鮮魚、惣菜、寿司を全て網羅する職人を目指し、技術を身につけていくつもりです。

まずは魚の調理技術ですね。魚離れが進み、魚を捌ける人材も減少する昨今において、魚の調理スキルは貴重であり、人を喜ばせることにとどまらず、自分自身の人生を豊かにすることにもつながると考えています。
さらに西浅では、惣菜や寿司など幅広く鮮魚を加工しているため、食品製造のスキルも上がります。工場とは違い、一品一品自分の手で作るため、料理の腕も上がり、将来的には調理師免許も取得できます。
西浅は生食品も多く、衛生基準や食品表示に厳格な環境が整っています。お客様に安心して口にしていただくために守るべきルールは少なくありませんが、食品を扱ううえで必須の衛生関係の知識も自然と身につきます。
また、効率よりもお客様との対話を大切にしている西浅では、接客スキルも学ぶことができます。私自身、お客様が日常的に立ち寄るなじみの店として、親しみを感じていただける接客を心掛けています。ファンになっていただいて自分の名前を覚えてもらえると、とても嬉しいです。

周囲の反応で成長を感じる場面が多いですね。
ベテランの職人から「今日の煮付けはいい感じに照りがついているな」「今日の魚はきれいにおろせている」といった声をかけてもらえると、心の中でガッツポーズをしています。それを見た店長から「この魚を捌いてみるか?」と、難易度の高い調理への挑戦を促されるなど、さらなる成長の機会も生まれています。
魚屋という仕事は日々入荷する商品が変わるので、仕事がルーティンになりにくく、毎日が成長の機会だと思って業務に取り組んでいます。その結果、お客様から「昨日の惣菜、美味しかったよ」といった声をいただき、それが日々の励みになっています。

1つはお客様の声を直接聞けるところです。
私は前職で、京都の宮津市で定置網漁師をしていました。ところが、当時は水揚げされた魚が、その後どうなっているかを知ることは、ほとんどありませんでした。転職のきっかけも、より魚の魅力を知ってもらうために、売る側でお客様と直接やり取りがしたいという思いがありました。
現在はお客様と直接話す機会に恵まれ、どうやって魚が獲れたか、美味しい食べ方は何かなどをお伝えすることができています。
また、魚好きとして、珍しい魚を調理する機会があることは純粋に楽しいですね。天然資源である魚は、同じ種類であっても季節や産地によって状態が異なり、その変化に合わせて調理を工夫する面白さも実感しています。

天然資源を扱うことは面白さでもあり、難しさでもあります。
入荷する魚や状態が日々変わる特性上、細かなマニュアルを作ることはできません。そのため、知識や経験が重要であり、身につけるまでは大変でした。人によって捌き方なども異なるため、当初は混乱することもありました。
ただ、様々な意見を吸収して経験を積み、自分なりのやり方を見つけたことが成長につながったと考えています。

私はもともと魚好きで、漁師から転職しましたが、魚の調理自体はほとんど未経験で、入社後にイチから教わりました。
同期や若手社員にも未経験者が多く、ともに切磋琢磨していける環境があります。
私自身も視野を広げて見ることで、西浅という会社に出会うことができました。皆さんも自分の軸となるものがあるかと思いますが、それを様々な角度から見るようにして就職先を選んでもらえたらと思います。
