【若手の仕事内容】「仕事が大好き」を体現する先輩がいる。西垣金属工業のへら絞り技術者に密着
西垣金属工業株式会社
西垣金属工業株式会社
小寺 蓮(こてら れん)
京都市立京都工学院高等学校 機械科
京都には、長い歴史のある老舗企業から革新的なスタートアップ企業まで、魅力ある企業が数多くあります。そんな京都企業の「若手社員」を特集。
今回は、板金加工を専門とする製造業「西垣金属工業株式会社」で働く、小寺 蓮(こてら れん)さんにお話を聞きました。
西垣金属工業株式会社は、金属を延ばし、美しく成形する「へら絞り」の技術を強みとする板金加工の会社です(従業員28名)。近年は独自ブランド「metapa」(https://www.instagram.com/metapa_0518/)を立ち上げ、オリジナル商品やオーダーメイド品の製作にも力を入れており、金属加工の可能性を広げています。
入社6年目で、製造課で中工程・後工程を担当しています。
弊社の製造工程は「前工程」「中工程」「後工程」に分かれており、中工程では金属を回転させながら型に押し当てて成形する「へら絞り」や「スピニング」といった加工、後工程では溶接やサンダー(電動のやすり)による仕上げ作業を行っています。

金属の板を高速で回転させながら、専用の道具(へら)を押し当てて少しずつ成形していく技術です。大きな力を加えて金属を変形させたり、細かな部品を作ったりすることができます。学校では旋盤やフライスといった機械加工を学んでいましたが、この会社に来て、へら絞りやスピニングという独自の技術に出会いました。
※旋盤…回転する材料(金属等)を、刃物で削って丸く形づくる機械のこと
※フライス…固定した材料に、回転する刃物を当てて削る機械のこと
※へら絞り…回転する金属の板に棒を押し当てて、立体的な丸い器の形にする加工技術
※スピニング…へら絞りを行う機械のこと

入社当初は後工程で、溶接やサンダーによる仕上げ作業のみを担当していました。現在は中工程にも関わるようになり、へら絞りやスピニングのほか、旋盤やフライスといった機械加工も担当しています。
中工程は他の工程に比べて機械の種類が多い一方、作業量自体は少なく、以前は担当者が1人だけでした。
私は工業高校出身で機械加工の基礎に触れていたこともあり、その経験を活かせると同時に、入社前から興味があったへら絞りに携われることが、とてもうれしかったです。
実際、過去に経験がある方が助っ人として他の工程に入ることはありますが、メインで二つの工程に携わっている方は少ないです。得意先の発注状況によって工程ごとの忙しさが変わるので、そのときに応じて工程を行き来できる、フレキシブルな人材として私は期待されているのかなと感じています。

弊社では西垣金属工業とは別に、オリジナル商品やオーダーメイド品を製作する「metapa」というブランドを立ち上げています。その中で、実家の仕事関連や、趣味であるバイクで繋がった方といった個人的な繋がりから発注をいただく機会がありました。
今の自分ではまだまだできないことも多いので、上司や先輩の力を借りながら設計・制作しているのが現状ですが、それらの製品を納品し、実際にお客様の顔を見てお話を聞くと、自分が関わった製品が確かに喜んでもらえているんだと実感しました。それからは、仕事により意欲的に取り組めるようになりました。
実家の仕事関連(神輿など、神事の装飾に使われている房を湯のしで仕上げる)で、以前使っていた銅製の道具が壊れてしまい、ステンレスで作り直せないかという相談を受けました。シンク等といった一般的な製品に使われているステンレス素材では、磁石にくっつかないためIH調理器では使えないのですが、特殊なステンレスを使うことでIH対応にすることができ、製作・納品することができました。それまでは火を使い続ける環境で夏場は本当に暑く、冬も換気で困っていたそうですが、新しくしてからは職場環境がかなり改善したと言ってもらえて、とてもうれしかったです。
他には、バイクで知り合った方からの依頼や車好きの社員の繋がりで、パーツや、ホイールを装飾するカバーなどを製作しました。今はmetapaのInstagramを通じて注文をいただくこともあり、趣味が仕事につながっていることを実感しています。

作業予定は上司が管理していますが、有給や病欠などにも適宜対応してくださるので、安心して仕事にも趣味にも取り組むことができています。
自分の作業に必要だと感じるもの、例えば昇降台車やテーブルなどの購入についても、その必要性と費用をしっかり相談したうえで、見合うものであれば購入してもらえます。そうでない場合も、納得できる理由を詳しく説明してもらえるので、次に何か必要だと感じたときも相談しやすい環境です。

新しい仕事を覚える際、基本的には各製品に対応する作業手順書があるのですが、書面だけでは伝えきれない部分や注意すべき点については、前担当者や上司、先輩に聞いています。皆さん丁寧に教えてくださるので、聞きやすい空気があると感じています。
自分に後輩ができた時も、言葉に詰まることがないように、日頃から意識しながら作業すべきだと感じますし、この「聞きやすい空気」は大切にしていきたいと思っています。

愛車のバイクと一緒に。学生時代から工作などの手作業が大好きだったという小寺さん。趣味も仕事も「手で形をつくる」ことへの情熱でつながっているのが伝わってきました!
私は高校のインターンシップで3日間、職場体験をさせていただき、その際に西垣金属工業に興味を持って入社しました。
募集内容や条件も決して軽視できないものですが、実際に見て、聞いて、触れることが一番大切だと思います。
会社の環境や空気感、業務内容といったことは、実際に行ってみないと分かりません。就職先に迷っている方は、まず会社見学などをしてみてはいかがでしょうか。
会社の雰囲気がとてもフレンドリーで、みんな気さくに話しかけてくれたのが印象的でした。それに、自分は学校で旋盤やフライスといった機械加工を学んでいたので、他の作業もできる分、フレキシブルに動けるかもしれないと感じたのも大きかったです。
実際に手を動かして作業する現場を見て、「この仕事を自分もやってみたい」と思えたのは、会社見学ならではの経験だったと思います。
趣味はバイクです。大きいバイクと小さいバイクを持っていて、遠出をするときや荷物が多いときは大きいバイクで、気軽に走りたいときは小さいバイクで、と使い分けています。雪山や秋の山道など、季節ごとの景色を求めてツーリングに出かけることも多いです。
バイク仲間との横のつながりも広く、イベントで知り合った方から製品のご相談をいただくこともあります。趣味の時間が、そのまま仕事のアイデアにつながることも増えてきました。

「この記事を読んで、入社してくれる学生が増えたらうれしい」と話す小寺さん。仕事の話をするときの表情から、「仕事が大好き」という気持ちがまっすぐに伝わってきました。会社の強みである技術と個人の情熱が重なり合う西垣金属工業の魅力を、体現するようなかっこいい先輩でした。